歴史紀行 11 ① 橘 寺 太子殿
日本歴史紀行 11 橘寺 太子殿
橘寺 太子殿
若き日の聖徳太子の逸話を現代に伝える橘寺は、かつて太子の先々代にあたる欽明天皇の別宮【橘宮】があった場所で、聖徳太子はこの地で生まれました。
寺伝によると、太子が宮跡の地で勝鬘経(しょうまんぎょう)を三日間に渡って講義した際、庭に蓮の花弁が降り積もり、太子の頭冠から日月星の光が輝いたという話が推古天皇に伝わり、驚いた推古天皇はその地に寺の建立を命じたという伝説(奇瑞伝説)から橘寺が創建されました。
最盛期の奈良時代前期の天平年間には66もの堂宇や五重塔が建ち並んだものの、度重なる火災や戦禍に巻き込まれて次々と縮小、現在の伽藍は幕末期に再建されたものです。
太子殿(本堂)には、太子が講義(講讚)した模様を表した太子勝鬘経講讚像が安置されています。