静岡紀行 6 牧之原大茶園 ~牧之原市、菊川市、島田市~
大井川西岸を起点に広がる牧之原台地は、島田市、菊川市、牧之原市、そして最南端の御前崎市と、四つの市にまたがる標高100~200メートルの広大な台地です。
江戸時代までは、石が多くて水利の悪い土地のために米作に向かず、ほとんど未開の原野でしたが、明治時代になると、将軍職を失った徳川慶喜を江戸から護衛してきた徳川家臣団らがこの台地に入植して来ました。
およそ食料となる作物を作るのに不向きな台地のために、入植当初は筆舌につくせない苦難の末に茶の生産に成功すると、旧徳川家臣団らに加えて職を失った大井川の川越人足らも加わり、茶の生産を始める人々が増えていきました。
未開同然だった牧之原台地は現在、大部分が茶園へと様変わりし、島田市、菊川市、牧之原市と3市にまたがる総面積5300ヘクタールの一大茶園となり、静岡県下一、また日本の茶生産の1割以上をこの台地で占める規模を誇ります。